甲状腺腫瘍

こんにちは。

今回のテーマは甲状腺腫瘍についてです。

 

<甲状腺とは>

甲状腺は、喉の下の方にある臓器で、新陳代謝に関わるホルモンを産生しています。

 

<犬猫の甲状腺疾患>

高齢の犬では甲状腺機能低下症、高齢の猫では甲状腺機能亢進症の罹患率が多いです。

 

甲状腺機能低下症の症状: 元気消失、体重増加、疲れ易い、脱毛

甲状腺機能亢進症の症状: 食欲増進、体重増加、嘔吐や下痢、攻撃的になる

 

甲状腺腫瘍はこれらの病気の原因にもなりますが、ホルモンが関与しないパターンもあるので、必ずしも症状が出るとは限りません。

喉のあたりを触っていたらしこりがあるのに気付き、検査をしたら見つかった、ということもあります。

 

<甲状腺腫瘍の診断>

触診、レントゲン検査、超音波検査、血液ホルモン検査、細胞診検査、CT検査などを行います。

腫瘍がどこまで広がっているのかをステージングと表現しますが、甲状腺腫瘍ではこのステージングでリンパ節や肺への転移がないかどうかのチェックも大切です。

一般に病気の進行は緩やかなことが多く、経過観察になることもありますが、症状が顕著に出ている場合は治療対象となります。

 

<甲状腺腫瘍の治療>

第一選択は外科摘出です。ただし、甲状腺という臓器は血流が豊富であることから、出血のリスクは常に考えないといけません。

甲状腺摘出術は首の真ん中のラインを切開し、筋肉をかき分けて気管を露出してから、気管の横に位置する甲状腺を摘出する、という流れで行います。

(写真参照)

 

そのほか放射線治療や分子標的薬治療などの方法があります。

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<まとめ>

甲状腺腫瘍は偶発的に見つかることが多い病気です。日頃からわんちゃん、猫ちゃんの体をしっかりとチェックし、変化にすぐに気づけるようにしましょう。

 

 

オハナペットクリニック 石阪