アジソン病
副腎皮質機能不全症(アジソン病)
アジソン病は『副腎』というホルモンを分泌する臓器が何らかの理由で働かなくなってしまう病気です。その結果、体の中のホルモンが不足してしまい様々な症状がでてきます。
その代表的なホルモンがコルチコイドというホルモンです。
このホルモンが不足することにより、体重減少、食欲不振、嘔吐、下痢、多尿、けいれんなど様々な症状が起こります。このような症状はアジソン病以外の他の病気でもみられる症状なのでアジソン病はしっかりと検査をしないと見落とされているケースがあります。急性の発症だと命の危険もある病気です。
診断は
①副腎の大きさを超音波にてチェックする事
②ホルモン値を測定する事
により確定診断ができます。
もちろんその検査をする前に一般的な血液検査を行い、アジソン病の疑いがあるかを確認します。アジソン病の子の血液検査の結果は一見すると腎不全にもとれる数値なので気をつけなければいけません。
当院に来院した症例も過去に他院にて腎不全と診断されていました。院内での検査にて小さくなってしまった副腎とホルモン値が低下している事からアジソン病と確定いたしました。
治療は基本的には足りないホルモンを補充することにより維持していくことになります。補充方法は飲み薬と注射があります。症例によって使い分けますが、今回の症例は飲み薬から開始しました。その後異常値だった腎臓の数値も全て正常値に戻り、下痢や嘔吐等の症状もなくなり元気に過ごしています。
今後も継続して飲み薬は必要ですが、しっかりと治療を続けていければ症状も出る事なく、他の子と同じ様に元気に生活する事ができます。
発見が遅くなるととても怖い病気なので、何度も嘔吐・下痢を繰り返す、飲水量が増えてきたなどの症状がある場合は1度ご相談下さい。