歯の破折
こんにちは。
今回は、歯の破折についてお話しします。
破折とは、わんちゃんねこちゃんの歯が折れてしまう、または割れてしまうことを言います。
硬く頑丈なイメージのある歯ですが、意外と簡単に折れたり割れたりしてしまいます。
特に割れやすいと言われているのが第4前臼歯、上顎の奥にある一番大きな歯です。
本来、わんちゃんねこちゃんの奥歯はお肉を裂くための歯なので、硬いもの、例えば骨やガムなどのおやつで簡単に割れてしまいます。
また、何かにぶつかってしまった、高い場所から落ちた、など外傷で犬歯、一番とがっている歯が折れてしまうこともあります。
歯の中には神経が含まれる歯髄と呼ばれる空間が存在し、歯の根元部分までつながっています。
なので、歯が折れることで歯髄が露出してしまうと、歯の根元が細菌感染を起こしてしまうことがあります。
そうなると、歯の根元周辺が膿んでしまい、歯茎に穴が開いたり、目の下辺りから膿が出てくる可能性もあります。
破折の治療は、歯髄の露出の程度と時間により方法が異なってきます。
歯髄が赤く見える(生活歯髄)状態であれば、根幹治療の他に、歯髄を残す治療が可能なこともあります。ただし、状態によっては抜歯を行います。
歯髄が黒く変色して壊死していれば、多くは抜歯を行います。
今回の症例は、木のおもちゃを噛んでいたら歯が割れた、という主訴で来院した10歳のわんちゃんです。
左上の第4前臼歯が割れているのが分かります。
この症例の場合、歯髄の露出はありませんでした。
しかし、細菌感染を起こしていたので、抜歯の処置が行われました。
わんちゃんねこちゃんは、かじることが大好きです。
だからといって、硬すぎるものをあげてしまうと歯が折れてしまいます。
蹄のような硬いおやつに限らず、家の中にある硬いものやゲージなどをよく噛んでいる場合には、何かしらの対策が必要です。
また、何かにぶつかってしまった、高いところから落ちた等の場合、もちろん体のどこかを痛がっていないかも大切ですが、歯もチェックしてあげましょう。
気になることがありましたらいつでもご相談ください。
オハナペットクリニック 豊田