イレウス
こんにちは。
今回は、消化管機能の低下についてお話しします。
イレウスというのは、簡単に説明すると、胃や腸の動きが悪くなったり、
詰まってしまうことで、腸の内容物が肛門に向けて運ばれなくなって
しまうことをいいます。
イレウスになると、腸に内容物がやガスが溜まってしまい、
お腹の痛み、張り、吐き気などが引き起こされることがあります。
イレウスは大きく
①機械的イレウス
②機能的イレウス
の2つに分類されます。
①は、物理的に腸管内が塞がれてしまうことで起こります。
腸の内容物が少しずつ通過できるものから、完全に詰まってしまう
ものまであり、程度はさまざまです。
閉塞が重度の場合、腸管に穴が空いてしまい、お腹の中に腸内容物が
流れ出ることで腹膜炎を起こしたり、腸が壊死してしまうことがあります。
原因としては、異物、腸捻転、重度の便秘、腫瘍、、などがあります。
②は、物理的な閉塞はないものの、腸が正常に動くことができず、
内容物がうまく通過できずに起こります。
膵炎、腹膜炎などの炎症の影響により腸の動きが低下し、
内容物がうまく運ばれなくなります。
今回の症例は、食欲低下、頻回嘔吐の主訴でいらっしゃった、4歳のチワワさんです。
お腹の痛みは触診上ありませんでしたが、検査を行ったところ、
炎症数値の上昇、胃・膵臓・胆嚢周囲の軽度炎症が見られました。
まずは点滴での通院治療を行いましたが、改善が見られず、
入院治療を行なっていくことになりました。
入院中は炎症数値のモニター、超音波検査でのお腹の中のモニターを行い、
静脈点滴で消化管の運動を促進する薬を流しながら治療を行いました。
数日で元気食欲の上昇、炎症数値の改善、消化管運動の改善が見られたので退院し、
通院で様子を見ていきました。
その後、再度同じような症状を繰り返してしまい、消化管運動促進薬の追加処方、
フードの切り替え、缶詰、ウェットタイプのものから
ドライフード(ドライもふやかしからふやかしなしへ)を慎重に行った結果、
現在再発することなく元気に過ごしています。
元気、食欲の低下は、原因が軽いものから重度のものまでさまざまです。
症状が見られた際は、早めに相談していただくことをおすすめします。
オハナペットクリニック 豊田