細菌性膀胱炎

細菌性膀胱炎はワンちゃんでの発生が多く、約14%のワンちゃんが生涯の間に経験するといわれています。反対に猫ちゃんでの発生は少なく、ストレスに関連するような特発性膀胱炎の発生が多いとされています。

本来の尿は無菌ですが、おしりまわりや生殖器、皮膚からの常在菌が尿道に入ってしまい感染することで発症します。特に女の子では、肛門と外陰部の位置が解剖学的に近いため、男の子よりも発生が多いです。

症状としては、頻尿・血尿・排尿痛・排尿障害・不適切な排尿(トイレの失敗など)が認められ、異様なにおいがしたり、尿がにごっているなどの異常が認められることがあります。

細菌性膀胱炎の診断は、上記の症状があることに加え、尿中の菌体を確認することで行います。

治療には、抗菌薬の使用、場合によっては消炎剤などを使っていきます。薬剤感受性試験を用いながら適切な抗菌薬を使用することが理想的です。

1歳のマンチカンの猫ちゃんが、血尿と頻尿を主訴に受診されました。

元気や食欲は低下していませんでしたが、1日10回以上の排尿があり、明らかに何らかの問題があると考えられました。

検査を行うと、まずは尿検査にて球菌・血液成分・炎症細胞の存在が確認され、超音波検査では膀胱内に結石や腫瘍などは見られず、腎臓の構造にも異常はありませんでした。尿道カテーテルもスムーズに入りました。

以上の検査結果より細菌性膀胱炎を一番に疑い、現在症状もあるため、試験的に抗菌薬の使用を開始しました。

5日後の再診では、症状は少し良くなったかもしれないとのことでしたが、内服をはじめても頻尿の症状は数日間残っており、明らかな改善というわけではなさそうでした。

再診時の尿検査では変わらず球菌・血液成分・炎症細胞が認められ、超音波検査では以前にはなかった膀胱壁の肥厚(炎症を疑う)も認められました。現在の抗菌薬が効いていないと判断し、薬剤感受性試験を行いました。

後日その試験結果に基づき抗菌薬の種類を変更したところ、数日後には症状の明らかな改善が認められ、尿検査での菌および炎症細胞の消失を認め、治療終了となりました。現在のところ再発もありません。

細菌性膀胱炎は、日々の診察の中でよく遭遇する疾患ではあります。しかし放っておくと腎臓などに感染が波及してしまい、緊急性が高い状態になってしまうこともあります。

また、頻尿や血尿など今回と同じ症状でも、検査をすると結石が見つかったり、腫瘍が見つかったりと考えられる原因は細菌感染だけではありません。

いつもと違う症状があれば早めにご来院いただけると安心かと思います。お気軽にご相談ください。

二階