子猫の神経疾患

こんにちは。

今回は子猫の神経疾患についてお話します。

 

<神経症状とは?>

神経とは、身体の動きや感覚をつかさどる器官です。

神経症状とは、神経が何かしらの要因で障害を受けて起こる症状のことで、ふらつき、痙攣、足の麻痺など多岐にわたります。

 

<子猫の神経症状の原因となる疾患>

・小脳低形成

・水頭症

・感染性脳炎(ウイルス性、細菌性)

・てんかん

・外傷

 

 

他にもたくさん考えられる病気はありますが、今回はウイルス性脳炎に分類される症例についてご紹介いたします。

 

<症例> ずっとぼーっとしてる…

7カ月 スコティッシュフォールド 去勢雄

お家に迎えたときからぼーっとした子だったと飼い主さんは言っていました。

去勢手術を無事終えて1カ月経った頃、家の中でふらつくようになったとのことで受診。

診察中はあまりふらつく様子は見られなかったものの、数日経ってご飯もあまり食べられず、体重も落ち、立って歩くことも難しい状態になってしまいました。

この子は相談の上、MRIは撮らずに、できる治療を行っていこうという方針になりました。

確定診断はついていないものの、前庭や小脳の障害を疑う歩行異常が認められていたこと、年齢が若いことから、FIP(猫伝染性腹膜炎)のウイルス性脳炎を疑い、治療を開始することになりました。

 

 

↑手足がほとんど動かせなくなったときの写真

 

 

 

薬を飲み始めて動くようになってきた!

 

FIPに対するGs製剤という薬を開始してから、徐々に体が動くようになり、ご飯も食べてくれるようになりました。

治療開始して1ヶ月ほどでかなり元気になってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑治療開始1ヶ月頃の写真

 

 

 

 

<最後に>

ヒトでは痺れなどの自覚症状があれば早く受診することが可能ですが、動物の場合そうもいきません。

神経症状の場合一時的なことも多く、病院に着いた頃には症状が消失していることがあります。

 

できるだけその症状がわかる動画などを撮ってきていただけると診察の参考になることがあります。

 

少しでも気になる症状ありましたらお気軽にご相談ください。

 

 

オハナペットクリニック 石阪