変形性関節症
こんにちは
関東もいよいよ梅雨入りしましたね
今回は「変形性関節症」Osteoarthritis/Degenerative joint Diseaseです。
年をとると、犬も猫もみんなかかってしまう変形性関節症ですが、基本的に治せるものではなく、
痛みを抑えてつきあっていく病気です。
いままでは痛みを抑える薬が高齢の子に使いにくかったのですが、
最近、この病気に新しい治療薬が使えるようになったので お話したいとおもいます。
変形性関節症とは、
「関節軟骨の変性と破壊、関節辺縁や軟骨下骨における骨の増生、そして二次性骨膜炎を伴う、進行性かつ非感染性の関節疾患」と定義されています。
つまり、軟骨が傷んで、その周りの骨が悪い意味で固く変形し炎症がおき痛くなる病気です。
もっとかみ砕くと、年をとったり、あるいはケガして、軟骨やその周囲の関節がどんどん悪くなる病気です。
関節内の変化は不可逆的であり、一度生じたら元に戻すことはできません。
その進行をいかに緩やかにして、QOL(生活の質)の改善および維持を図るかが大切です。
【 症状 】
・痛み(肩 膝 背中など)
・あまり動かなくなってきた(運動量の低下)
・筋肉量の低下
症状はわかりやすく痛がることもありますが、
初期段階はほぼ無症状で、気づきにくく
中期でも高齢だから?と分かりにくいことも多いです
とくに猫は痛みを隠す動物です。また、病院に来ると緊張で痛みが隠れてしまうことも多いです。
【 治療 】
変形性関節症の治療は、保存療法が中心となります。
重症例では外科手術や再生治療なども選択肢になりますが、
未だ一般的ではなく、その場合は大学病院などで実施することになります。
①体重管理
やはり太りすぎは関節に負担になります。。
関節が痛い子はとくにダイエット大事です
②運動様式や生活環境の改善
激しい運動は控えましょう
フローリングで滑るのも注意が必要です
③リハビリテーション
マッサージや温熱・冷却療法
無理なく、補助しながらの運動
④サプリメント
関節へのサプリメントは様々なものがあります。
ほとんどの場合、副作用を気にせず使えるので飲めるなら積極的に使っていきたいです。
当院ではアンチノールプラスをおすすめしています。
⑤疼痛管理
痛みを抑える方法は、いろいろあり、薬によって効き方が違います。
副作用がでないよう、組み合わせて効果的に痛みを抑えます。
ただ、薬によっては腎臓に負担がかかり、高齢では使いにくいこともありました。
新しい治療薬は、注射で1か月効果が続くお薬です。
なにより今までネックだった副作用が出づらいことが、大きなメリットです。
痛みがあるけど、副作用リスクで痛み止めが使えなかった子が、QOL(生活の質)を上げることができるので
獣医師としても期待しています
うちの子、どこか痛いのかも? と気になることがあったら来院時にご相談ください。